管理職必見!【小林 祐児著書;罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法】徹底解説&考察

「管理職になったとたん、残業は増え、給料は割に合わない、部下と上司の板挟み……」。そんな日々に、心が折れそうになっていませんか?

その辛さの原因は、決してあなたの能力不足ではありません。本記事では、話題の書『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』をもとに、組織に潜む「バグ(構造的欠陥)」の正体を徹底解説します。孤独な戦いを終わらせ、仕組みで解決するための具体的なアプローチを一緒に見ていきましょう。

目次

管理職が「罰ゲーム」と言われる3つの理由

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 業務量の増加とプレイングマネージャー化
  • 割に合わない報酬と責任の重さ
  • 板挟みのストレスとメンタル不調

かつて管理職への昇進は、キャリアの成功を意味する「あがり」のポジションでした。しかし現代では、過酷な労働環境から「罰ゲーム」と揶揄されることが増えています。その背景には、個人の努力ではどうにもならない構造的な変化が大きく関わっています。ここでは、なぜこれほどまでに管理職が疲弊してしまうのか、その主要な3つの要因を紐解いていきます。

業務量の増加とプレイングマネージャー化

管理職を最も苦しめているのは、自身の業務とマネジメントを両立しなければならない「プレイングマネージャー」としての過負荷です。

書籍によると、課長職の実に99%がプレイングマネージャーであるというデータもあり、実務をこなしながら部下の育成や組織運営を行うことが常態化しています。さらに、「働き方改革」により一般社員の残業規制が厳しくなったことで、溢れた業務が法的規制の対象外である管理職にしわ寄せされているのが現実です。部下を定時で帰すために上司が深夜まで残務処理を行う状況は、もはや個人の処理能力を超えた構造的な問題と言えるでしょう。

割に合わない報酬と責任の重さ

責任の重さに対して、報酬が見合っていないという「割に合わなさ」も大きな要因です。

かつては管理職になれば給与が大幅に上がり、それが昇進への意欲につながっていました。しかし現在は、賃金カーブのフラット化により一般社員との格差が縮小しています。加えて、管理職になると残業代が支給されなくなるため、繁忙期には「部下の方が手取り額が多い」という逆転現象さえ起きかねません。経済的なメリットが薄れているにもかかわらず、負うべき責任だけが重くのしかかる現状では、昇進に対するモチベーションが低下するのも無理はないでしょう。

板挟みのストレスとメンタル不調

業務量や待遇の問題に加え、精神的なプレッシャーが限界に達していることも見逃せません。

現代の管理職は、経営層からの厳しい数値目標の追求と、部下からの権利主張やハラスメントリスクへの配慮という、強烈な「板挟み(サンドイッチ状態)」に置かれています。弱音を吐けない孤独な環境下でストレスを抱え込み、メンタル不調に陥るケースも後を絶ちません。実際に管理職層の自殺率が上昇傾向にあるというデータも指摘されており、心身の健康リスクが高まっていることは、まさに「罰ゲーム」と言わざるを得ない深刻な事態です。

職場に潜む「バグ」の正体とは

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 個人のスキル不足ではなく「構造」の問題
  • 日本の組織特有の「もたれかかり」構造

管理職が苦しむ原因を「個人の能力不足」と捉えてしまうと、根本的な解決には至りません。本質的な問題は、日本の組織構造そのものに埋め込まれた欠陥、すなわち「バグ」にあります。この章では、なぜ個人の頑張りだけでは状況が改善しないのか、その構造的な背景について解説します。

個人のスキル不足ではなく「構造」の問題

多くの企業では、管理職の負担軽減策として研修やスキルアップを推奨しますが、これだけでは解決しません。

なぜなら、現在の過酷な状況は個人の処理能力を超えた「バグ」によって引き起こされているからです。著者の小林氏は、個人の能力強化に頼るアプローチを「筋トレ」思考の限界と指摘しています。どれだけ個人がスキルを磨いても、次から次へと業務が降り注ぐ仕組み自体が変わらなければ、いずれ限界を迎えてしまうでしょう。「自分が未熟だから辛いのだ」と自身を責める必要はありません。問題はプレイヤー個人の筋肉量ではなく、無理な負荷をかけ続けるゲームのルールそのものにあるのです。

日本の組織特有の「もたれかかり」構造

日本の組織には、責任の所在が曖昧になりやすい「もたれかかり」の構造が根強く存在します。

これは、職務範囲が明確な欧米型とは異なり、互いに業務をカバーし合う「メンバーシップ型」雇用の副作用とも言えるでしょう。組織図上は役割が分かれていても、実際には部下が処理しきれない仕事や部門間の隙間に落ちた業務を、すべて管理職が拾わなければならない「入れ子構造」になっています。権限は十分に委譲されていないにもかかわらず、最終的な責任だけが管理職に集中するため、リスク回避のために細部まで管理せざるを得ません。この構造的欠陥こそが、管理職の業務を際限なく肥大化させている正体です。

バグだらけの職場を修正する4つのアプローチ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • フォロワーシップ・アプローチ
  • ワークシェアリング・アプローチ

書籍『罰ゲーム化する管理職』では、組織のバグを修正するために4つのアプローチ(フォロワーシップ、ワークシェアリング、ネットワーク、キャリア)が提唱されています。これらは、管理職個人の精神論や根性論に頼るのではなく、仕組みを変えることで問題を解決しようとする現実的な処方箋です。本記事では、その中でも特に日々の現場マネジメントにおいて重要度が高く、すぐに意識改革に取り組みやすい2つのアプローチについて詳しく解説します。

フォロワーシップ・アプローチ

管理職の負担を減らすには、自身のリーダーシップを磨くよりも、部下の「フォロワーシップ」を育てる視点が欠かせません。

多くの職場では「上司が部下を導く」ことばかりが強調されますが、本来は部下も「上司を支える」役割を担うべきです。具体的には、管理職が置かれている多忙な状況や制約を部下に包み隠さず公開(情報の非対称性を解消)し、チームの課題として共有することが有効でしょう。また、部下に対して「上司への効果的な報告方法」や「上司のリソースの使いこなし方」を教育することで、指示待ちの状態から脱却させ、自律的に動くチームへと変革していくことが可能になります。

ワークシェアリング・アプローチ

自らの業務を断捨離し、部下に仕事を「任せる技術」を身につけることも、バグ修正の大きな鍵となります。

「自分でやった方が早い」「任せて失敗されると困る」という思い込みを捨て、60点の完成度でも良いので早めにアウトプットを出させる「60点主義」を導入してみてください。これにより、最後の手直しだけで済むようになり、管理職の工数は大幅に削減されます。また、過干渉(マイクロマネジメント)をやめて適度に「放置」することは、ネグレクト(育児放棄)とは異なり、部下の自走を促すための「戦略的な撤退」です。すべてを背負い込まず、組織としてリスクを許容し、業務を分散させることが重要です。

まとめ:管理職を救うには仕組みを変えるしかない

「罰ゲーム」と呼ばれる現状は、決してあなたの努力が足りないからではありません。ここまで見てきたように、日本の管理職を取り巻く環境は、個人のスキルアップ(筋トレ)だけでは対処できない深刻な「バグ」を抱えています。

この状況から脱却するためには、「自分が我慢すればいい」という自己犠牲の精神を捨て、組織の仕組みそのものにメスを入れる視点が必要です。部下を信頼して任せること、そして一人で抱え込まずに周囲とつながることは、決して逃げではありません。それは、あなた自身とチームを守り、持続可能な成果を出すための賢明な戦略なのです。

【本記事のポイント】

  • 管理職の苦境は「プレイングマネージャー」としての過剰な業務負荷が主因である。
  • 責任の重さに対して報酬が見合わず、精神的な「板挟み」が深刻化している。
  • 問題の本質は個人の能力不足ではなく、組織構造に潜む「バグ」にある。
  • 上司だけで頑張るのではなく、部下の「フォロワーシップ」を育てることが重要。
  • 完璧主義を捨て、適度に業務を「任せる」ことが組織全体の成長につながる。

今、あなたが感じている違和感や辛さは、組織が変わるべきサインです。まずは「仕組みがおかしい」と認識することから始めましょう。そして、今日からできる範囲で、部下に仕事を「手放す」勇気を持ってみてください。その小さな一歩が、バグだらけの職場を修正し、あなたらしい働き方を取り戻すための確実な前進となるはずです。

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