2026年W杯グループF第2戦の相手はチュニジア代表。
「格下」と思っていませんか?
アフリカ予選10試合22得点0失点、そして2014年W杯で日本を破った監督。
この記事ではデータを基にチュニジアの実力と弱点を分析し、日本が勝つための条件を解説します。
チュニジア代表はどんなチーム? 「格下」とは言い切れない理由
W杯出場7回 ― アフリカ屈指の常連国
チュニジアは、2026年大会で7度目のW杯出場を果たすアフリカ屈指の常連国です。
初出場は1978年のアルゼンチン大会で、以降1998年、2002年、2006年、2018年、2022年と出場を重ねてきました。
2026年大会は3大会連続の出場となります。 アフリカ勢の中でもW杯経験の豊富さではトップクラスに位置しており、「大舞台に慣れている」チームです。
最高成績はグループステージ敗退にとどまっていますが、2022年カタール大会では前回王者のフランスに1-0で勝利する番狂わせを演じています。
格下のイメージとは裏腹に、本番で力を発揮できるチームであることは間違いありません。
FIFAランキング44位でもグループ最下位とは限らない
2026年4月時点のFIFAランキングでチュニジアは44位です。
グループF内ではオランダ(7位)、日本(18位)、スウェーデンに次ぐ最下位の位置づけですが、ランキングだけでチュニジアの実力を測るのは危険です。
その根拠が、アフリカ予選の成績です。 チュニジアは予選10試合で9勝1分・22得点0失点という驚異的な数字を残しています。
10試合連続無失点という守備力は、グループF内のどのチームも到達していない水準です。 ランキングの数字以上に手強い相手であることは、このデータが証明しています。
ラムシ監督の正体 ― 2014年W杯で日本を破った男
チュニジア代表を率いるサブリ・ラムシ監督は、2026年1月に就任しました。
注目すべきは、ラムシ監督の経歴です。 AFP通信やゲキサカなどの報道によると、ラムシ監督は2014年ブラジルW杯でコートジボワール代表の監督を務め、グループステージで日本に2-1で逆転勝利を収めた人物です。
つまり、ラムシ監督は日本代表の弱点を一度実戦で突いた経験を持つ「日本キラー」なのです。
相手の弱点を分析し、そこを徹底的に狙う戦術に長けているとされる指揮官が日本戦のゲームプランを練っているという事実は、警戒に値します。
チュニジア代表の戦術とフォーメーション ― 日本が最も苦手なタイプ
4-3-3と4-2-3-1を使い分ける柔軟性
チュニジアの基本フォーメーションは4-3-3と4-2-3-1の併用です。
Goal.comの分析によると、チュニジアは4バックを基本とした組織的な守備を土台に、相手に応じてシステムを使い分ける柔軟性を持っています。
サッカー分析メディアの報道によると、直近の試合でもフォーメーションを変えており、相手に応じた使い分けが確認されています。
この柔軟性は、相手によって戦い方を変えられる戦術的な引き出しの多さを意味しています。
日本戦でも予想外のシステムで臨んでくる可能性があり、事前の準備だけでは対応しきれない怖さがあります。
予選10試合22得点0失点 ― 組織的守備の秘密
チュニジアの最大の武器は、組織的な守備力です。
アフリカ予選では10試合を通じて一度も失点せず、22得点0失点という圧倒的な成績で本大会出場を決めました。
Goal.comの分析によると、4バックによる守備を中心に試合を組み立て、素早いトランジション(攻守の切り替え)からのカウンターで相手ゴールを目指すプレースタイルが特徴です。
さらに、Goal.comの報道では、2025年11月にブラジル代表との親善試合で5バックを採用し、PKでの1失点のみに抑えたとされています。
格上相手にはさらに守備的な布陣で臨み、カウンターに活路を見出す柔軟さも持ち合わせています。
ロングボール主体のカウンター ― なぜ日本は苦手なのか
チュニジアのもうひとつの特徴が、ロングボールを多用する攻撃スタイルです。
サッカー分析メディア「華麗なるオフサイド」では、チュニジアのスタイルを「ポゼッション型ではなく、ロングボールを使って攻撃を組み立てるタイプ」と分析し、「日本が一番苦手なタイプ」と指摘しています。
日本代表はボールを保持して試合をコントロールする戦い方を得意としていますが、相手がボールを持たせてくる展開では攻めあぐねることが少なくありません。
2014年ブラジルW杯のコートジボワール戦がまさにその典型で、相手に引いて守られた状態からカウンターを受けて逆転負けを喫しました。
ラムシ監督はまさにその試合を指揮した人物です。
チュニジア代表の注目選手5選 ― 知っておくべき要警戒プレイヤー
ハンニバル・メジブリ(バーンリー)― チームの心臓を担う若き司令塔
ハンニバル・メジブリは、チュニジア代表で最も注目されている選手のひとりです。
時事通信の報道によると、イングランドでプレーするメジブリは高い技術を持ち、パスで試合の流れを変える力を備えています。
名門マンチェスター・ユナイテッドのユース出身で、若くしてトップチームデビューを果たした経歴を持ちます。
現在はバーンリーで主力としてプレーし、プレミアリーグ昇格にも貢献しました。
中盤からゲームをコントロールする能力に長けており、チュニジアの攻撃の「心臓」を担う存在です。
スヒリ ― 堂安律のクラブ同僚が日本の前に立ちはだかる
スヒリは、チュニジア代表の守備的MFで攻守の要となる選手です。
時事通信の報道によると、スヒリは日本代表の堂安律とクラブで同僚の関係にあります。 ボール奪取力に優れた守備的MFでありながら、攻撃へつなげる展開力も備えている選手です。
日頃の練習で堂安のプレースタイルを間近で見ているだけに、日本の攻撃パターンを肌で理解している可能性があります。
「同僚対決」という観点でも注目の存在です。
ジェバリ(ガンバ大阪)― Jリーグで日本サッカーを知り尽くした男
イッサム・ジェバリは、JリーグのG大阪(ガンバ大阪)でプレーするFWです。
Goal.comの報道によると、ジェバリはチュニジア代表にも招集されており、Jリーグで日本のDFラインと日常的に対峙しています。
日本のサッカーの間合いや守備の癖を肌で知っている選手が相手チームにいることは、日本にとって見過ごせないリスクです。
ジェバリが試合に出場すれば、日本の守備陣にとっては「手の内を知られた相手」と戦うことになります。
アヤリ(PSG下部)― パリが目をつけた大化け候補
アヤリは、フランスの名門パリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織でプレーする若手FWです。
時事通信の報道では「若手発掘に定評のあるPSGが目をつけたホープで、本番で大化けの可能性もある」と紹介されています。
まだ実績は未知数ですが、PSGというビッグクラブの育成環境で鍛えられたポテンシャルは無視できません。
W杯本番の大舞台で一気にブレイクする若手は過去にも数多くいます。 アヤリがそのひとりになる可能性は十分にあります。
トゥネクティ(セルティック)― 前田大然の後釜が代表でも躍動
トゥネクティは、スコットランドの名門セルティックで左ウイングを務める選手です。
Goal.comの報道によると、ノルウェー出身のトゥネクティは前田大然の退団を見越して獲得された選手で、現在はセルティックで左ウイングの定位置を確保しています。
高い技術を活かした左サイドでの1対1を得意としており、日本代表の右サイドバックにとって警戒すべき存在です。
チュニジア代表としても2025年からコンスタントに招集されており、W杯本番でも出場のチャンスは大いにあります。
チュニジア代表の弱点はどこにある? ― 堅守の裏側を探る
攻撃の決定力不足 ― 予選は1-0勝利が4試合
チュニジアの最大の弱点は、攻撃の決定力です。
予選の試合データを見ると、10試合中4試合で1-0という僅差の勝利を収めています。
22得点という数字だけ見ると攻撃力もあるように見えますが、アフリカ予選の相手のレベルを考慮すると、W杯本番でグループFの相手から同じペースで得点できるかは疑問が残ります。
守備は堅いが攻撃で試合を決めきる力に欠ける、というのがチュニジアの構造的な課題です。
日本がしっかり守って失点を防げば、チュニジアが自力でこじ開けてくる可能性はそこまで高くないと考えられます。
個の質では欧州トップクラスに劣る
チュニジアの選手たちは、欧州のビッグクラブに所属する選手が少ないのが現状です。
メジブリ(バーンリー)やトゥネクティ(セルティック)など欧州でプレーする選手はいますが、オランダのファン・ダイク(リバプール)やデ・ヨング(バルセロナ)のようなワールドクラスの個は持っていません。
チュニジアの強さはあくまで「組織力」であり、個人技で局面を打開する力は限定的です。
裏を返せば、日本が組織を崩すことに成功すれば、個の力で対抗してくるリスクは比較的低いということでもあります。
新監督就任からの日が浅いチーム構築の課題
ラムシ監督が就任したのは2026年1月です。
W杯開幕まで約5ヶ月という短い準備期間で、チームの戦術を浸透させる必要があります。
前任のトラベルスィー監督の下で築いた予選無失点の守備力をベースにしつつ、新監督の戦術をどこまで上乗せできるかが課題です。
監督交代直後のチームは、戦術的なコミュニケーションが完全には噛み合わないケースも少なくありません。
W杯本番の緊張感の中で、新体制のチームがどこまでまとまりを見せるかは不透明な部分です。
日本vsチュニジア 過去の対戦成績を振り返る
通算5勝1敗 ― 日本が大きくリード
時事通信の報道によると、日本とチュニジアの対戦成績は日本の5勝1敗で、日本が大きくリードしています。
W杯での対戦は2002年日韓大会のグループステージで1度あり、日本が2-0で勝利しています。 直近の対戦でも日本が勝利を収めています。
ただし、対戦成績の多くは親善試合であり、W杯本番という別次元の舞台でそのまま同じ結果になるとは限りません。
2002年W杯 ― 森島・中田の2ゴールで2-0完勝
2002年日韓大会のグループステージでの日本vsチュニジアは、日本にとって忘れられない一戦です。
森島寛晃と中田英寿のゴールで2-0と勝利し、日本はW杯史上初のグループステージ突破を決めました。
この試合はホーム開催の大声援に後押しされた日本が、チュニジアの守備を攻略して快勝した試合として語り継がれています。
ただし、2002年当時と現在ではチュニジアの実力も大きく変わっています。
24年前の結果をそのまま当てはめることはできません。
油断は禁物 ― 2022年カタール大会でのフランス撃破の記憶
チュニジアを「格下」と侮るべきではない最大の理由が、2022年カタール大会での戦いぶりです。
グループステージ第3戦で、チュニジアは前回王者フランスに1-0で勝利しています。
フランスがエムバペらの主力を温存し先発9人を入れ替えていたとはいえ、W杯のピッチで前回王者に勝ち切った事実は軽視できません。
ハズリの気迫あふれるドリブルから決めた決勝点は、チュニジアが大舞台で見せる底力を象徴するシーンでした。
日本がこの試合と同じように「勝って当然」という意識で臨めば、足元をすくわれる危険があります。
日本がチュニジアに勝つための3つのカギ
ボールを持たせてもらう展開に持ち込む
チュニジアの戦い方はカウンター型です。
つまり、日本がボールを持って攻め急ぐと、チュニジアの思う壺にはまる可能性があります。
逆に、日本がボールを保持しつつも焦らずにパスを回し、チュニジアの守備ブロックを少しずつ広げていく展開が理想です。
相手が引いて守る時間帯では、サイドチェンジやミドルシュートでブロックの外から揺さぶりをかけることが効果的です。
JFA公式の分析でも、オランダ戦とは異なり「ボールを持つ側」としての戦い方が求められることが示唆されています。
セットプレーと空中戦で主導権を握る
チュニジアの堅い守備ブロックを崩すには、セットプレーが有効な武器になります。
流れの中から崩すのが難しい堅守のチームに対しては、コーナーキックやフリーキックからの得点が勝負を分けることが多いです。
日本には空中戦で勝負できる選手もおり、セットプレーの精度が試合の命運を左右する可能性があります。
2002年W杯のチュニジア戦でも、日本はセットプレーの流れから得点を生み出しています。
モンテレイの暑熱対策 ― コンディション管理が命運を分ける
見落とされがちですが、試合環境も重要な要素です。
時事通信の報道によると、第2戦の会場であるエスタディオBBVA(モンテレイ)は気温の高い地域にあり、暑熱対策が不可欠です。
チュニジアは第1戦(スウェーデン戦)と同じモンテレイの会場で戦うため、移動の負担がありません。 一方の日本はダラスでの初戦(オランダ戦)から国境を越えてメキシコへ移動する必要があり、コンディション面でのハンデを抱えています。
JFAはモンテレイでの事前合宿を計画しており、暑熱順化への対策を進めていると報じられています。
初戦オランダ戦の結果も含め、チュニジア戦に向けたコンディション管理が勝敗を分ける隠れたカギです。
まとめ ― チュニジア戦こそ「絶対に落とせない一戦」
チュニジア代表は、FIFAランキング44位という数字だけで判断してはいけない相手です。
アフリカ予選10試合22得点0失点の組織的守備、2022年カタール大会でフランスを撃破した大舞台での底力、そして2014年W杯で日本を破った経験を持つラムシ監督の存在。
「格下」という先入観が、最も危険な落とし穴になりかねません。
一方で、攻撃の決定力不足、個の質の限界、新監督就任から日の浅いチーム構築の課題といった弱点も確かに存在します。
日本がチュニジアに勝つためのポイントは3つです。
- ボールを保持しつつ焦らず、チュニジアのカウンターの餌食にならないこと
- セットプレーと空中戦で得点機会を作り出すこと
- モンテレイの暑熱環境に備えたコンディション管理
6月21日、日本時間13時キックオフ。 モンテレイのエスタディオBBVAで行われるこの第2戦は、グループ突破の行方を大きく左右する「絶対に落とせない一戦」です。
初戦オランダ戦の結果がどうあれ、ここで確実に勝ち点3をつかみ取ることが求められます。
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この記事を書いた人
daiki
W杯2026に向けてサッカー記事を多数執筆中。 欧州サッカーを中心に、注目選手のプレースタイルや各国代表の戦力分析を発信しています。
Instagram:https://www.instagram.com/daiki_mash/


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