「アジア大会の旗騒動、結局『闇』なの?それとも現場のミスなの?」と、モヤモヤしていませんか?
旭日旗と台湾旗をめぐる組織委員会の謝罪の中身、台湾旗が対象になる理由、中国への忖度という批判の根拠まで、確認できた事実だけで整理します。
この記事でわかること
- 旭日旗の「持ち込み禁止」掲示を組織委が謝罪した経緯と、台湾旗の扱い
- 台湾旗が「参加国以外の国旗」とされる理由と、東京2020との違い
- 「闇」「中国への忖度」という批判の根拠と、確認できていない点
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旭日旗は「誤掲示」と謝罪、台湾旗の扱いは説明待ち

9月28日、大会組織委員会は公式サイトに「野球競技会場における不適切な掲示についてのお詫び」を掲載しました。
組織委は、旭日旗はそもそも持ち込み禁止の対象ではなく、現場の誤った認識で掲示してしまったと説明しています。
掲示は9月26日に岡崎中央総合公園野球場の入口へ出されたもので、翌27日には撤去されたと報じられています。

一方の台湾旗(中華民国国旗)は、大会が禁止事項として案内している「参加国以外の国旗」に当たる扱いです。
報道で確認できる範囲では、今回の謝罪は旭日旗の掲示に関するもので、台湾旗の扱いについて組織委が個別に説明したという情報は見当たりません。
つまり、事実として確認できるのは「旭日旗は禁止ではなかった」「台湾旗は従来の禁止事項の運用のまま」という2点です。
「闇」や「中国への忖度」という見方は、SNSや一部の論者から出ている評価であり、現時点でそれを裏付ける公式資料は確認できていません。
私は、二つの旗を並べて禁止と示した経緯が説明されていないことが、疑念を招いている最大の理由だと考えます。
何が起きた?9月25日〜28日の時系列
まず、報道で確認できる範囲の流れを表にまとめます。
| 日付 | 場所・試合 | 出来事 |
|---|---|---|
| 9月25日 | 野球 台湾対中国(豊橋市) | 台湾人観客が掲げた「Taiwan」表記のタオルをスタッフが制止したと台湾メディアが報道 |
| 9月26日 | 野球 台湾対日本(岡崎中央総合公園野球場) | 入口に中華民国国旗と旭日旗を並べ、日本語・英語・繁体字中国語で「上記の旗は持ち込めません」と掲示 |
| 9月27日 | 野球 台湾対中国(3位決定戦) | 同様の張り紙は見当たらず。掲示は27日に撤去されたと報じられた |
| 9月28日 | 大会公式サイト | 組織委が「不適切な掲示」として謝罪。旭日旗は禁止対象ではないと説明し、全競技会場へ周知徹底すると表明 |
台湾側では、最大野党・国民党の議員が、台湾旗を旭日旗と並べて禁止対象にした掲示を「侮辱」だと主張したと、韓国・聯合ニュースの報道として伝えられています。
台湾のファンからは、応援グッズの扱いへの不満も出ています。
同じ一枚の掲示でも、日本、台湾、韓国でそれぞれ違う論点が生まれた点が、この件をややこしくしています。
なぜ台湾旗は「持ち込めない旗」になるのか
台湾旗の問題は、旭日旗とは背景がまったく別です。
ここでは3つの視点に分けて整理します。
①大会が案内する禁止事項は「参加国以外の国旗」
組織委は謝罪の中で、観客への禁止事項として「参加国以外の国旗を掲げること」を案内していると説明しています。
台湾は今大会に「チャイニーズ・タイペイ」の名義で参加しています。
そのため、中華民国国旗は「参加国の旗」としては扱われない、というのが運用上の考え方とみられます。
②1981年のローザンヌ協定とチャイニーズ・タイペイ
台湾は1981年のIOCとの合意(いわゆるローザンヌ協定)に基づき、五輪やアジア大会などに「チャイニーズ・タイペイ」名義で出場しています。
この合意では、中華民国国旗と国歌の代わりに、チャイニーズ・タイペイオリンピック委員会の旗と委員会歌を使うことになっています。
つまり、台湾旗の制限は今大会だけの独自ルールではなく、長年の国際的な取り決めの延長線上にあります。
③「Taiwan」タオルが制止された理由
9月25日の件について、台湾メディアは、スタッフが「運営側の基準では『Taiwan』の表記は政治的な主張と考えられる」と説明したと報じています。スタッフは、すべての状況を逐一挙げることはできないとも述べ、会場の安全に影響する場合は退場になるとも伝えたとされます。
一方、台湾のファンは「Taiwan」の文字を政治的表現とは考えていないと強調しています。
このタオルは台湾プロ野球リーグの応援タオルだったとも報じられています。
「Taiwan」の表記まで政治的とみなす線引きが妥当かどうかは、意見が分かれるところです。
ただし、この件について組織委本体が見解を示した情報は、現時点で確認できていません。
旭日旗はなぜ「禁止」と書かれた?東京2020との違い
次に旭日旗です。
こちらは「禁止だと思っていたのに実は禁止ではなかった」という、少し変わった展開をたどっています。
東京2020組織委は「持ち込み禁止品ではない」との見解
東京2020の際、組織委員会は「旭日旗のデザインは日本国内で広く使われており、政治的な主張は含まれない」との立場を示したと、朝日新聞の報道として韓国メディアが伝えています。旭日旗は競技会場への持ち込み禁止物品には当たらないという整理でした。
日本政府も、旭日旗の掲示が政治的宣伝にならないという考えを国際社会に説明してきたと、外務省が公式に示しています。
IOCは「事案ごとに判断」というスタンス
IOCは2019年、韓国の市民団体への返答で「競技場で政治的なデモがあってはならない」としたうえで、問題が起きれば事例ごとに調査するという趣旨を伝えたと報じられました。
オリンピック憲章第50条2項は、会場などでのデモや政治的・宗教的・人種的な宣伝を認めないと定めています。旭日旗を一律に禁止する規定があるわけではなく、政治的に使われたかどうかで個別に判断される、というのが基本線です。
今回の組織委の説明と、比べてわかること
| 項目 | 東京2020 | 愛知・名古屋2026 |
|---|---|---|
| 旭日旗の公式な扱い | 持ち込み禁止品には当たらないとの見解(2021年の報道) | 禁止対象ではないと説明(9月28日) |
| 現場での動き | 韓国側の抗議やIOCとのやり取りが報じられた | 岡崎の野球場で禁止を示す掲示が出て、翌日撤去 |
| IOCの立場 | 問題が起きれば事案ごとに判断 | 今回のIOC・OCAのコメントは確認できず |
公式方針は「禁止ではない」なのに、現場では「禁止」と書かれていた。
私は、これを「方針そのものの問題」というより「方針が現場に伝わっていなかった問題」と見るのが、いまの情報では自然だと考えます。
ただし、誰が掲示物を作り、誰が承認したのかは説明されていません。
「闇」「忖度」と言われる背景にある運営トラブル
旗の件がここまで大きな話題になった背景には、大会運営への不信感の積み重ねがあります。
相次ぐ運営トラブルの一覧
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2023年 | 建設費が想定の300億円を大幅に超える見込みとなり、選手村の建設を断念。コンテナ型の宿泊施設へ |
| 5月11日 | 名古屋金城ふ頭アリーナで天井の断熱材が落下。防護ネットなどの追加費用は2億9700万円 |
| 5月30日 | パロマ瑞穂スタジアムでコンクリート片が落下(施工不良が原因と報道) |
| 9月8日 | 大雨で会場の一部に雨漏り。宿泊拠点のある港区に避難指示が出て、選手が一時避難 |
| 9月18日 | ホッケー男子の韓国戦で、韓国ではなく北朝鮮の国歌が流れるミス。組織委が謝罪 |
| 9月20日 | バスケットボール男子決勝の前、韓国代表を迎える送迎バスが来なかったと報道 |
| 9月23日 | 開会式や一部会場の空席を指摘され、組織委が会見 |
コンテナ型宿舎については、ベッドが短い、室内で水漏れがあったなどの報道もあり、ホテルへ移ったチームもあったとされています。競技と直接関係のないところでの不手際が続いたことで、旗の件も「また運営のミスか」「それとも意図があるのか」という文脈で語られやすくなりました。
「中国への忖度」という批判は何を根拠にしているのか
SNSやまとめサイトでは、台湾旗と旭日旗を同列に扱ったことを「中国への配慮ではないか」と批判する投稿が目立ちます。大会に中国企業が関わっているとの指摘や、大会組織委員会会長である大村秀章愛知県知事への批判も見られます。ただし、企業関与と今回の掲示との関係を示す公式な説明は、本稿では確認できていません。
一方で、まとめサイトのコメント欄などには「台湾旗の制限はローザンヌ協定に基づく従来の運用だ」という冷静な指摘も見られます。反応は一枚岩ではありません。
事実として確認できたこと・できていないこと
| 確認できたこと | 確認できていないこと |
|---|---|
| 旭日旗と台湾旗の禁止掲示が、岡崎の野球場に出た | 掲示物を誰が作成・承認したのか |
| 組織委が旭日旗の掲示を「不適切」と謝罪した | 中国側からの働きかけの有無 |
| 「参加国以外の国旗」が禁止事項として案内されている | 台湾旗の扱いに関する組織委の個別の見解 |
| 台湾人観客の「Taiwan」タオルが制止されたと台湾メディアが報道 | 「Taiwan」表記を制止する基準の公式な根拠 |
「忖度があった」と断定できる材料は、いまのところ見つかっていません。
逆に「忖度はなかった」と言い切れる材料もありません。
判断は、今後の説明を待つ必要があります。
SNSの反応(Xの声)
日本語圏のXでは、台湾旗への扱いを「恥ずかしい」とする声、旭日旗の禁止に疑問を呈する声、運営全体への不満を述べる声が目立ちます。
以下は、その一部です。
右翼もネトウヨも大嫌いだけど、アジア大会のあれこれに関しては言われても仕方ない位酷いよ。
— yu-g (@yukichi3776) September 27, 2026
台湾という国を尊重しよう
愛知アジア大会の台湾🇹🇼国旗に対する侮辱に対し怒っている日本国民も少なくありません。台湾の方たちに申し訳無い事をしました。同じ日本人として恥ずかしいです
— いっぺん (@SSzb1vFEZAwNxxV) September 27, 2026
今回の名古屋アジア競技大会。非常に残念ですね。
— 烈風0507 (@repou0507bD8kEw) September 27, 2026
台湾旗を掲げて応援しようとした台湾人をアジア競技大会が排除 旭日旗の使用も禁止 もうやめませんか? 旭日旗には根拠がないし、台湾は台湾です。
帰ってきた三枝玄太郎チャンネルhttps://t.co/JtzQucTjpy
これらは個人の意見であり、事実関係を示すものではありません。旭日旗の掲示は組織委が後に謝罪しているため、投稿時点の情報と現在の状況が異なる場合がある点に注意してください。
今後の注目点:大会は10月4日まで
大会は10月4日まで続きます。
今後の焦点は、次の3点です。
- 台湾旗と「Taiwan」表記の扱いについて、組織委が説明するか
- 旭日旗の扱いが、全競技会場に周知徹底されるか
- 掲示物が作られた経緯について、検証や説明があるか
大会中に新たな説明や対応が出た場合は、内容が変わる可能性があります。
よくある質問(FAQ)
Q1.旭日旗は会場に持ち込めますか?
組織委は9月28日、旭日旗は持ち込み禁止の対象ではないと説明し、全競技会場へ周知徹底すると表明しています。
ただし、IOCは政治的に使われた場合は事案ごとに判断する立場です。
実際に持ち込む際は、各会場の案内と係員の指示に従ってください。
Q2.台湾旗(中華民国国旗)はなぜ禁止なのですか?
台湾は「チャイニーズ・タイペイ」名義で参加しており、大会は「参加国以外の国旗」を禁止事項としています。
このため、中華民国国旗はその扱いになるとみられます。
台湾旗の扱いについて、組織委が個別に見解を示した情報は確認できていません。
Q3.「Taiwan」と書かれたタオルもダメなのですか?
9月25日の試合では、「Taiwan」表記のタオルがスタッフに制止されたと台湾メディアが報じています。
スタッフは「運営側の基準では政治的な主張と考えられる」と説明したとされます。
組織委の公式な見解は確認できていないため、今後の説明が待たれます。
Q4.これは中国への忖度なのですか?
「忖度」とする批判はSNSなどで広がっていますが、それを裏付ける公式資料は現時点で確認できていません。
組織委は旭日旗の掲示について「現場の誤った認識」と説明しています。
断定せず、今後の説明を見て判断するのが妥当です。
Q5.過去の国際大会でも同じような掲示はありましたか?
2019年のE-1サッカー選手権でも、会場入口で台湾の旗と旭日旗の持ち込みを禁じる掲示があったと、書籍のプレスリリースで紹介されています。
一方、東京2020では、組織委が旭日旗を持ち込み禁止品には当たらないとの見解を示していました。
大会ごとに、運用や判断が異なるのが実情です。
まとめ:断定より「確認できた事実」で判断を
今回の件で確認できた事実は、次の3点に整理できます。
- 旭日旗の禁止掲示は、組織委が「現場の誤った認識」として謝罪した
- 台湾旗は「参加国以外の国旗」として、従来の国際的な取り決めの延長で扱われている
- 二つを並べて示した経緯は、まだ説明されていない
「闇」や「忖度」という言葉は強い印象を与えますが、現時点では裏付ける材料が見つかっていません。
一方で、運営トラブルが続いた結果、大会への信頼が揺らいでいるのも事実です。今後の説明を確認しながら、判断していくのがよさそうです。
参考にした主な報道・情報
・第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)公式サイト ・外務省「旭日旗に関する基本的立場」
・フォーカス台湾(中央社)「野球の台日戦、中華民国国旗と旭日旗『持ち込み禁止』と掲示」
・THE ANSWER(Yahoo!ニュース)「台湾ファン困惑『中華民国国旗』持ち込みNG」
・スポニチアネックス(Yahoo!ニュース)「アジア大会公式、旭日旗巡る掲示を謝罪」
・新潟日報「旭日旗禁止は『不適切』 アジア大会組織委が謝罪」
・RBB TODAY(スポーツソウル日本版)「『旭日旗は持ち込みOK』と公式発表」
・共同通信「相次ぐ会場トラブルに懸念 対策追われるアジア大会」
・共同通信「アジア大会、10日から競技開始」 ・NHK「アジア大会 国歌取り違えで組織委が韓国選手団に謝罪」ほか ・北海道新聞「アジア大会 経費削減で選手村なし」
・朝日新聞報道を伝えたハンギョレ新聞記事(Yahoo!ニュース)
・朝日新聞報道を伝えたWoW!Korea記事(Yahoo!ニュース)
・聯合ニュース「東京五輪での旭日旗使用 IOC『問題は発生すれば調査する』」(livedoorニュース)
・オリンピック憲章50条の解説(新日本法規)
・扶桑社プレスリリース『忘れられた旭日旗』(2019年E-1の掲示に言及)
※本記事は2026年9月28日時点の報道に基づいています。


執筆者プロフィール
daiki / カタルシスの旅路 運営
雑記ブログ「カタルシスの旅路」を運営しています。
今回は、愛知・名古屋アジア大会の旗をめぐる騒動について、報道と公式発表をもとに整理しました。



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